おすすめしない、たった一つの髪型 ― それは「周りに合わせるだけのヘアスタイル」

最近、お客様とのコンサルテーションをしていると、ときどき感じることがあります。
それは「自分のための髪型」ではなく、**“周りの目のための髪型”**を選んでしまっている人が想像以上に多いということ。
もちろん、誰だって他人の視線は気になります。
職場、学校、家族、パートナー。それぞれの立場で“適切な容姿”はある。
そこに合わせること自体は悪いことではありません。
でも、それでもなお──
僕が唯一おすすめしない髪型が存在します。
それは、
「周りがそうしているから」という理由だけで選ぶヘアスタイル。
たったこれだけです。
■ 僕のコンサルが5分で終わる人もいれば、1時間かかる人もいる理由
僕はカットに入る前の時間をとても大切にしています。
早い人は5分で終わるし、深く話す人は30分、1時間かかることもある。
時間の長さが良い悪いではなくて、
**“その人自身の声がどれだけ言葉になっているか”**が大事なんです。
「こうなりたい」
「こういう印象に見られたい」
「ここは嫌だ」
「これは大切にしたい」
たとえ本人が言語化できていなくても、
表情・声のトーン・間・仕草の一つ一つに、必ず“本音”がある。
僕の仕事はそれを汲み取って、ヘアデザインに落とし込むこと。
■ 唯一おすすめしない髪型は、“自分を置いてきぼりにする髪型”
どんな髪型でも、
ショートでも、ロングでも、ボブでも、カラーでも、パーマでも。
基本的にはどんなジャンルも肯定します。
しかし一つだけ、どんなお客様にもおすすめしない髪型があります。
それは、
「自分の気持ちを無視して、周りの様子を見て決めるスタイル」
です。
- SNSでみんながやっているから
- 職場で浮きたくないから
- “普通”に見られたいから
- 周りと違うのが怖いから
- 無難にしておけば怒られないから
もしこれが理由の中心になっているなら、
僕は必ず止めます。
なぜならその選択は、
自分で自分の自己肯定感を削ってしまうから。
■ 同じショートでも「理由」次第でおすすめ度は変わる
例えばショートヘア。
Aさんはこう言います。
「毎日気分をスッキリさせたいから、ショートにしたい」
Bさんはこう言います。
「周りがショートにしているし、長いと目立つから…」
同じショートヘアでも、
前者には全力で背中を押すし、
後者には時間をかけて違う選択肢を一緒に探します。
理由が“自分軸”にあるか、
それとも“他人軸”にあるか。
これだけで、完成した髪型から伝わる雰囲気はまったく変わります。
■ 誰かのために整えることは尊い。でも「誰か」が“ぼやけている時”は危ない
家族のため
パートナーのため
仕事のため
その人の名前がはっきりしているとき、髪型の目的はとても強い。
でも、
- 学校
- 会社
- 社会
- 周り
- なんとなく
“相手が具体的ではない”場合、
その選択は本当にあなた自身を幸せにしてるだろうか?
そう思うことがあります。
■ 僕が本当に提供したいヘアデザインとは
髪型はただの「外見」ではなく、
自己肯定感そのものを支えるツールだと思っています。
だから僕は、
あなたの「こうしたい」を言葉にするお手伝いがしたい。
あなたがあなたを大切にできるヘアデザインを一緒に作りたい。
そのために、時間がかかるなら何時間でも対話します。
■ 最後に──“あなたの幸せのための髪型”を選んでほしい
唯一おすすめしない髪型は、
あなた自身を置き去りにする髪型です。
逆にいえば、
- 自分がどうしたいか
- どんな自分でいたいか
- 何を大切にしたいか
これが少しでも見えた時、
その髪型はあなたの人生に確実にプラスを与えます。
僕はそのプロセスを、
美容師として、デザイナーとして、
そして一人の人間として大切にしています。
髪型は“誰かに合わせるための服”ではなく、
あなた自身を肯定するためのデザイン。
その軸さえぶれなければ、
どんなスタイルでも必ず似合うし、必ずあなたを前に進ませてくれます。


