最新の皮膚科学から、髪のスペシャリストとして思うこと

最近、ある本を読みました。
人体最強の臓器 皮膚のふしぎ。
著者は京都大学大学院で皮膚科学を専門とする医師で、
特に「アトピー性皮膚炎」の研究に長年取り組んできた第一人者です。
この本、正直かなり面白かったです。
というのも、美容の現場で僕がずっと感じてきたことと、
最新の皮膚科学の結論が、ほぼ同じ方向を向いていたからです。
皮膚科医療は、なぜ遅れてきたのか?
本の中で印象的だった話があります。
皮膚科の病気は、他の診療科に比べて
「命に直結する疾患が少ない」。
致死的なものは、皮膚がんや一部の感染症など、かなり限られています。
そのため、
- アトピー
- 慢性的なかゆみ
- 乾燥
- 肌荒れ
こうした「日常的だけど深刻な悩み」は、
長い間、研究の優先度が低かったそうです。
でも実際はどうでしょう。
これらの悩みが、生活の質を大きく下げているのは事実ですよね。
日本の成人アトピー性皮膚炎による経済的な負担は、
医療費だけでなく、セルフケアにかかる費用や
仕事のパフォーマンス低下といった生産性損失まで含めると、
年間で約3兆円規模とも言われています。
こうして見ると、皮膚の問題は
決して「一部の人の話」ではないんですよね。
髪は、皮膚の一部です
ここで、美容師としてはっきり言いたいことがあります。
髪は、皮膚の一部です。
東洋医学では「血余(けつよ)」とも呼ばれ、
髪は体の状態や栄養の影響を強く受けるものと考えられてきました。
つまり、
頭皮の状態=髪の状態。
この前提を無視して、
髪だけをどうにかしようとするのは、
かなり無理があります。
最新の皮膚科学がたどり着いた、シンプルな結論
この本の中で、
僕が一番「やっぱりな」と思ったポイントがあります。
それは、
どれだけ最先端の治療があっても、
最終的に重要なのは
「保湿」と「紫外線予防」
という結論。
高価な治療でも、
美容医療でも、
AGA治療でも、
保険診療でもありません。
日常の保湿と、紫外線を防ぐこと。
これが、皮膚を守る一番の近道だという話でした。
僕が何万人と髪を見てきて思うこと
正直、これは本を読む前から感じていました。
何万人とお客さんの
・頭皮
・髪
・肌
を見てきて思うのは、
トラブルの原因は、だいたい日常習慣にあるということ。
しかもそれは、
・大変でもない
・高価でもない
・誰でもできる
「普通のこと」。
でも、その「普通」ができていない。
だから、症状として表に出てくる。
紫外線より、実は厄介なのは「乾燥」
頭皮の紫外線対策は、正直かなり簡単です。
髪があるだけでも守られますし、
帽子をかぶれば十分。
ビタミンD目的の日光浴も、
1日30分程度で問題ありません。
一方で、厄介なのが保湿です。
皮膚が乾燥すると、
・炎症が起きやすくなる
・刺激に弱くなる
・アレルギー反応が出やすくなる
結果として、
- カラーやパーマの薬剤がしみる
- 薄毛、細毛になりやすい
- 白髪が増えやすい
こうした悩みにつながっていきます。
美容室で、当たり前のようにやっていませんか?
ここで、少し問いかけたいです。
- 薬剤を、当たり前のように頭皮につけていないか
- 原液シャンプーを直接つけて、ゴシゴシ洗っていないか
- 強い水圧で流していないか
皮膚の厚さは、ラップ1枚分程度。
これは冗談ではなく、本当にそのレベルです。
ゴシゴシ洗えば、簡単にバリアは壊れます。
そしてそこから、乾燥・炎症・皮膚トラブルが始まります。
情報過多の時代だからこそ、本質が大事
今は、
SNSやネットで、
「◯◯するだけで治る」
「これを使えば生える」
そんな情報が溢れています。
でも、その多くは
ビジネス目的の過剰なマーケティング。
必要ないものにお金を使い、
一番大事な部分が置き去りにされている。
だからこそ、
本質を見極める知識を持った美容師が必要だと、僕は思っています。
僕が一番大事にしていること
特別なことは、いりません。
大事なのは、
- 乾燥させない
- 炎症させない
この2つ。
保湿とは、
「水分」と「油分」を適切に保ち、
皮膚のバリア機能を維持することです。
僕がHerb Magicをおすすめしているのも、
一時的なケアではなく、
家で“続けられる”保湿習慣を作るため。
サロンだけ良くても、意味はありません。
日常が変わらなければ、皮膚も髪も変わらない。
最後に
皮膚は、
ラップ1枚の薄さで、
毎日あなたを守ってくれています。
だからこそ、
過剰なことより、
地味でも続けられることを。
僕はこれからも、
サロンの現場で、
こうした「当たり前だけど一番大事なこと」を
丁寧に伝えていきたいと思っています。
もし今、
「何を信じたらいいかわからない」と感じているなら、
一度、立ち止まって
保湿と炎症という視点で、
自分の頭皮や髪を見直してみてください。
答えは、意外とシンプルです。


