ただヘアスタイルを売る仕事は辞めました

美容師という仕事は、髪を切ること・整えることがゴールのように思われがちです。
けれども、僕はそこに留まることをやめました。
なぜなら、お客様が美容室に求めているものは「髪型」だけではないからです。
無限に広がる“付加価値”の考え方
同じカットやカラーをしていても、感じてもらえる価値は人によってまったく違います。
- 美容室でゆっくりリラックスしたい人
- 会話を通して、仕事や家庭や恋愛の相談をしたい人
- 誰にも邪魔されず、静かに自分と向き合いたい人
- 美味しいドリンクを楽しみたい人
求めているものは一人ひとり違う。
だから「ただ髪を整えるだけ」では、すべてのお客様に本当の満足を届けることはできません。
僕にとって大切なのは、無限にある可能性の中から“その人だけの付加価値”を一緒に見つけていくことです。
コンサルテーションで大切にしていること
最初のカウンセリングで僕が必ず意識しているのは、
「好きなこと」よりも「嫌いなこと」を丁寧に聞くことです。
人は、得をすることよりも“損をしたくない”という気持ちを強く持つものです。
だからこそ、美容室で残念な体験や不快な思いをしてほしくない。
- どんな髪型が嫌いか
- どういう接客が苦手か
- どんな過ごし方をしたくないか
こうしたことを一つひとつ確認して、マイナスを徹底的に取り除く。
その上でプラスの体験を積み重ねるからこそ、「この美容室でよかった」と感じてもらえるのです。
高い技術は前提、その先にあるもの
もちろん、高いクオリティのカット・カラー・パーマ・ストレートを提供するのは当たり前です。
僕はロンドンや表参道で1万人以上の髪を担当し、技術責任者として人材育成もしてきました。
けれども、その経験を活かして大切にしているのは「技術+α」。
つまり、ヘアスタイルの仕上がりだけでなく、時間の過ごし方や心の満足感までも含めた“総合的な価値”です。
美容室とは、ただ髪型をつくる場所ではありません。
人それぞれの心に寄り添い、付加価値を感じてもらうための空間。
僕が美容師として追い求めているのは、その先にある“無限の可能性”です。