いい接客とは何か?

「いい接客」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
空気を読むこと?楽しい会話?心地よい空間?
あるいは最新設備の整ったおしゃれなサロンや、ラグジュアリーな高級空間で受けるサービスでしょうか。
人によって、その基準はまったく違います。
「この人の接客は素晴らしい」と思う人もいれば、別の人にとっては「ちょっと合わなかった」と感じることもあります。
つまり、接客の価値観は人それぞれなのです。
大型サロンとフリーランスの違い
僕がフリーランス美容師として独立した理由の一つに、まさにこの「接客」の問題があります。
大きな美容室では分業制が基本です。
受付、アシスタント、スタイリスト…と、それぞれの役割があり、効率よく多くのお客様を回していきます。
これは経営の視点から見れば素晴らしい仕組みですし、多くのお客様を受け入れるには必要な体制です。
しかし、お客様一人ひとりにとってはどうでしょうか。
- シャンプーする人が毎回違う
- 接客の対応方法がその日によって変わる
- 担当スタイリストは同じでも、周りのスタッフが変わると居心地も変わる
結果、同じ料金を払っているのに 「今日はすごく良かった」「今日はちょっと残念だった」 と、日によって満足度に差が出てしまうことがあります。
これこそが僕が避けたかったことです。
マンツーマン接客だからできること
僕は今、フリーランスとして 最初から最後まで一人で担当する というスタイルをとっています。
- カウンセリングから仕上げまで同じ人間が責任を持つ
- お客様の「話したい」「静かに過ごしたい」という細やかな気持ちに寄り添える
- シャンプーの強さや仕上げのニュアンスまで、毎回同じ基準で提供できる
これによって、どの日に来ていただいても同じクオリティーを提供できるようにしています。
自分自身のパフォーマンス管理も接客の一部
実はもう一つ、僕がこだわっていることがあります。
それは 働く時間帯 です。
僕は朝から昼過ぎまでしか仕事をしません。
理由はシンプルで、夕方以降は集中力や体力が落ち、パフォーマンスが下がってしまうからです。
美容師の仕事は「技術」だけでなく「接客」も含めたトータルのサービス。
だからこそ、常に最高の状態でお客様に向き合いたいのです。
結果的に、この働き方はお客様にとってもメリットになります。
どの時間に来ても、安定して高いクオリティーを受けられるからです。
いい接客とは「豪華さ」や「流暢な会話」だけではありません。
お客様が求めるものに、どれだけ安定して、誠実に応えられるか。
その積み重ねが、本当の意味での「いい接客」につながるのだと思います。
フリーランス美容師として、一人ひとりのお客様に合わせたマンツーマン接客を通じて、その価値を提供し続けたいと思っています。