世界基準の「本質的なサービス」とは?日本の“過剰なおもてなし”への違和感

美容室でリラックスしながらシャンプーを受ける女性
世界基準の「本質的なサービス」とは?日本の“過剰なおもてなし”への違和感

日本のサービス業は「世界一」と言われることが多いです。
どこに行っても「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と笑顔で迎えられ、丁寧な言葉が飛び交う。海外から見ると、それは“優しい国・日本”という印象を強めているかもしれません。

けれども、僕は海外で生活してみて、その「過剰なサービス」の裏側に疑問を持つようになりました。


マニュアルで作られた“笑顔”と“ありがとう”

日本では、お店に入ると必ず「いらっしゃいませ」と声をかけられます。
もちろん心から伝えている人もいますが、ただマニュアル通りに口にしている人も多い。

「ありがとう」も「またお越しくださいませ」も、心がこもっていないと、ただの“読み上げ”にしか聞こえません。
僕はそういう場面に出会うたびに、「言葉にする意味があるのだろうか?」と考えてしまいます。


ロンドンで見た“必要なときに力を尽くす”接客

一方で、ロンドンでの経験はまったく逆でした。
無理に笑顔を作ることもなければ、形式的な挨拶も少ない。

でも、本当に必要な瞬間には、驚くほど真剣でプロフェッショナルな対応をします。
例えば困っている人がいれば、店員さんも周りの人も自然に手を差し伸べる。
赤ちゃん連れの親が階段を登ろうとしていれば、数人が駆け寄ってベビーカーを一緒に持ち上げる。

“常に愛想よく”ではなく、“本当に必要な場面で全力を尽くす”。
それがロンドンで見た「サービスの本質」でした。


過剰さよりも「本質」にフォーカスする

日本はサービスが丁寧すぎるがゆえに、肝心の“本質”を見失うことがあると感じます。
洋服屋さんに行けば、服を買いに来ただけなのに過剰に話しかけられる。
医療現場でも、表面的な対応にエネルギーを使いすぎて、専門職としての集中が薄れている場面がある。

ロンドンで見た医師やスタッフは、自分の専門領域に徹し、必要なときだけ患者に寄り添う。
それは冷たいのではなく、“本当に必要なことだけに集中している姿勢”でした。


美容師としての学び

僕自身、美容師という仕事においても、この「本質に集中する姿勢」が大切だと感じています。
確かにお客様との会話やコミュニケーションは重要です。
けれども、僕の役割の中心は“髪を美しくデザインすること”。

余計な言葉よりも、的確な技術と提案こそが、お客様にとって本当の価値になる。
それは国籍や文化に関係なく、誰にとっても共通する「サービスの本質」だと思います。


サービスとは“愛想”ではなく“本質”である

日本のサービスは世界から評価されています。
しかし、ただマニュアルに従った笑顔や挨拶では、本当の意味で相手の心には届かない。

大切なのは“過剰な接客”ではなく、相手が本当に必要としていることに集中する姿勢。
それが、僕が海外生活で学んだ「サービスの本質」であり、美容師として実践していることです。


✂️ TAKA’s Note

僕が大切にしているのは、“余計なことをしないこと”。
お客様が本当に求めている価値にだけ、集中してお応えします。