顔はみんな左右非対称 ― 自然から学ぶ、ヘアデザインの本質

公園に立つ、左右非対称で自然な形をした木。自然の不均衡の美しさを象徴。
顔はみんな左右非対称 ― 自然から学ぶ、ヘアデザインの本質

人の顔は誰一人として左右対称ではありません。
目の高さ、鼻の形、口角の上がり方、顎のライン、頭の骨格…すべてが少しずつ違っています。

美容師の世界では「左右対称に切ることが上手」とされることが多いですが、それが必ずしも“その人に似合う”わけではありません。マネキンやウィッグのように左右ピタッと揃えてしまうと、かえって不自然に見えてしまうこともあるのです。


左右非対称だからこそ「似合う」が生まれる

僕が心がけているのは、
お客様一人ひとりの「顔の違い」に合わせた微調整です。

  • 前髪の左右で長さや量をほんの少し変える
  • サイドのボリュームを骨格に合わせて調整する
  • 後頭部の丸みも、左右で高さを変える

こうした細かな調整が、結果的にその人にとって自然で美しいバランスをつくります。


木々が教えてくれる「不均衡の美」

公園や森にある木を見てみてください。
幹はねじれたり、枝は左右均等ではなかったりします。

それでも私たちは「バランスが取れている」「美しい」と感じます。
それは自然が持つ不思議な調和であり、感性でしか説明できないものです。

髪型も同じ。
完全な左右対称を求めるよりも、自然な不均衡の中にあるバランスを大切にすることで、あなたにしかない“オンリーワン”のデザインが生まれます。


あなたの個性を引き出すデザインへ

僕は自然の中から感性を学び、日々の仕事に取り入れています。
木々や海、山の形がすべて違っても美しいように、人の顔も一人ひとり違っていい。

その違いを尊重し、活かすこと。
それが僕の美容師としての使命であり、あなたの個性を輝かせる髪型につながります。

「完璧な左右対称」ではなく、
「自然であなたらしいバランス」。

その感覚を大切にしながら、いつもハサミを握っています。