髪に“何が起きているか”を知ることの大切さ

美容室での施術は、ただ「仕上がりを整えるための作業」ではありません。
カット・カラー・パーマ・ストレート、それぞれの技術には髪の内部で必ず変化が起きています。
例えば――
- カラーは「酸化」で色素を髪に定着させる
- パーマは「還元」で髪の結合を組み替える
- 縮毛矯正は「還元と熱」で形状を固定する
どれも科学的なプロセスを経て、初めて髪型という“表現”が成り立っています。
メリットとリスク、両方を知ることが予防につながる
施術にはプラスの効果もあれば、必ずリスクもあります。
例えばカラーなら「発色・デザインの自由度」がメリット。
一方で「残留アルカリ」や「酸化ダメージ」はリスク。
ここを知らずに繰り返すと、髪は思った以上にダメージを受け、
「なぜか仕上がりがパサつく」「思った通りの形にならない」といった不満につながっていきます。
だからこそ僕は、施術前に必ずお客様に説明し、一緒にベストな選択肢を探すことを大切にしています。
技術は“引き算”と“足し算”のバランス
施術をするとき、僕が常に意識しているのは
「足し算」と「引き算」のバランスです。
- パーマやカラーは、髪に“変化を足す”技術。
- 一方で、カットや縮毛矯正は、“不要な部分を引き算して整える”技術。
この両方がうまく噛み合ったとき、初めて髪の個性を活かしたデザインになります。
美容師の責任は「未来まで考えること」
技術はただ「今を綺麗にする」ためだけのものではありません。
今日の施術が、半年後・1年後の髪の状態にまでつながっていく。
- 今このダメージを放置したら、次のカラーはどうなるか?
- この薬剤を選んだら、半年後の髪質はどう変わるか?
そうした未来の髪まで想像しながら提案することが、美容師としての責任だと考えています。
お客様にとって、美容室での時間は“変身の時間”でもあります。
だからこそ、その裏にある技術の意味や髪の中で起きていることを少しでも知っていただけたら、
安心感と納得感を持って施術を楽しんでいただけると思います。
髪について知識がない方でも分かりやすく、正直に、
技術の裏側を伝えながら施術しています。