有名サロンのプラシーボ効果 ― 本当に見るべきは「ブランド」ではなく「人」

近代的で洗練された美容室の内装。大きなミラーと黒いチェアが並び、明るい光が差し込む落ち着いた空間。
有名サロンのプラシーボ効果 ― 本当に見るべきは「ブランド」ではなく「人」

有名ブランドサロンの「プラシーボ効果」について、今日はお話ししたいと思います。

プラシーボ効果とは、簡単に言えば「思い込み」や「潜入感」によって実際以上の効果を感じること。医療の世界でもよく使われる言葉ですが、美容業界でも確かに存在すると思います。


有名サロンに行けば“必ずすごい人”に当たるのか?

僕は東京・表参道、ロンドンといった有名サロンで10年以上働いてきました。世界各国、さまざまな髪質・人種のお客様を担当してきましたが、正直に言うと――「有名サロン=全員が超一流の美容師」ではありません。

もちろん、平均的な技術レベルは高いです。ただ、本当に「人間性・技術・提案力」すべてにおいて超一流だと言える美容師は、ごく一部。感覚的には20~30人に一人くらいだと感じます。

つまり、サロンの“看板”が凄いからといって、担当する人も必ず凄いとは限らないのです。


ブランド力を支えているのは“一握りの美容師”

ブランドサロンは、一部のカリスマ的な美容師が存在することで、その組織全体の価値や影響力が底上げされていることが多いです。
だからこそ「このお店なら絶対に安心」という気持ちがプラシーボ効果を生み、実際以上の期待感につながることがあります。

それが悪いこととは思いません。思い込みがプラスに働くことで、満足度が高まるケースもあるからです。ただし注意すべきは――その満足が「美容師本人の力」ではなく「ブランドイメージ」によるものかもしれない、という点です。


では、どうやって“一流の美容師”を選ぶのか?

結論から言うと、唯一の手がかりは「その美容師が個人として発信している情報」を見ることだと思います。

組織やサロンの公式発信は、どうしても広告的で表面的になりがちです。けれども、個人で情報を発信している美容師には、その人の考え方や人間性、仕事への姿勢が現れます。
SNS、ブログ、動画など――形式は何でもいい。そこに“人となり”が出ている人は、総じて信頼できるケースが多いと感じます。


プラシーボに惑わされないために

有名サロンに行くことが悪いわけではありません。ただ「看板」に安心しきるのはリスクもあります。

大切なのは、誰に担当してもらうか。
その美容師がどんな人で、どんな考えで髪に向き合っているのか。
そこを見極めることが、美容の満足度を本当の意味で高めてくれると、僕は経験から強く感じています。


👉 次回の予約を考えるとき、ぜひ「お店」ではなく「人」を基準に選んでみてください。
きっと、あなたの髪も、気持ちも、より満たされるはずです。